私たちは単なる医療機関という枠に留まらず、診療を通してのコミュニケーションを何よりも大切にし、
地域のみなさまに愛され、癒されるコミュニティを目指します。
「治療的自我」とは一体何でしょうか?
ズバリ申し上げましょう。
それは、
「治療者(主に医師)の人間性、品格」
です。
治療者の人間性が大切である・・
当たり前と言えば当たり前ですよね。
病気や怪我をすれば、基本的に「平穏な日常」を奪われるわけですから、当然、精神的にもしんどい状況に陥ります。
そんな状況で、様々な葛藤を経て、悩み、色々考え、良きアドバイスを貰いたいと、意を決して病院やクリニックを訪れ、いざ診てもらった治療者が、ロクに話も聞いてくれず、共感もしてくれず、愛想もない…では誰だって嫌な気分になりますよね?
そう、治療者(主に医師)は、(少なくとも患者さんの前では)「品格ある人間」でなければならないのです。
ただ単に、知識、技術、があるだけではダメなのです。
患者さんの身体だけではなく、心の痛みまで理解し、傾聴し、共感し、受容し、寄り添い、人間として尊敬されるような「人間的品格」がなければならないのです。
もし、この「人間的品格」がない(なかった、もしくは足りなかったとしても、患者さんの前で「人間的品格」がない事がバレてしまう)ようでは、治療者たる資格はないのです。
逆に言えば、この「治療的自我」が確立されていれば、それだけで患者さんが良くなってしまう事も、往々にしてあるんです。
治療者の人間的品格に惹かれて(感銘を受けて)、患者さんの「心の治癒力」にスイッチが入ることがあるんです。
極論すれば、多少の見立ての間違いや、医学的に良くない治療をしてしまったとしても、治療的自我が通じていれば、患者さんが納得し得ることがあるんです(ただし断っておきますが、だからと言って、間違った見立てや良くない治療をしても良いということには、決してなりません。知識や技術の日々の研鑽は、プロフェッショナルとしての治療者の責務及び義務です!)。
何故ならば、究極的に、人間は、理屈ではなく、感情(魂)で納得する生き物なのですから・・・。
「治療的自我とは、治療者(主に医師)の人間性、品格である」
今回は、「治療的自我」とは何かをご紹介するに留め、また回を改めて、「人間性」、「品格」といったものについて、より深く考えてみたいと思います。